東京都新宿区のマンション駐車場で15日夕、充満した二酸化炭素を吸ったとみられる作業員4人が死亡、1人が重体となる事故が起きた。
現場のマンション周辺では、東京消防庁や警視庁による活動が夜まで続いた。消防隊員ら数十人が地下に空気を送り、二酸化炭素の濃度を下げる作業にあたった。
近くの40代女性はマンションから聞こえた「火事です」「避難してください」との警報で事故を知った。
1人がストレッチャーに乗せられて搬送されていくのを見たという。救急隊員と会話ができる様子で「『まだいる』というように、(親指で駐車場をさす)ジェスチャーをしていた」。その1時間半~2時間後に担架で運び出された1人は心臓マッサージを施されていたという。
「警察官から『二酸化炭素の事故です。家の中に入っていてください』と注意があった」といい、「消防隊が『あと5人いる』『下に二酸化炭素がたまっている』と話しているのが聞こえた。普段は静かなところなのでびっくりしている」と話した。
「一体何が起きたのか」。近くに住む70代の女性はテレビのニュースで事故の様子を知った。マンションは西武新宿線の下落合駅やJR目白駅に近い閑静な住宅街の一角にある。「普段は事件も事故もほとんどないので心配」と話した。
現場のマンション4階に住む女性(58)は火災報知機が鳴るのを聞いた。直後に買い物に出かけた際には救急隊員らが集まっており、買い物を終えて戻ると、マンション周辺に規制線が張られていたという。
ガスが原因とみられる事故は過去にも各地で
東京消防庁のウェブサイトによると、二酸化炭素を使った消火設備は、火元にガスを噴射して酸素を断つことで消火する仕組み。消火した後の汚損が少ないこともあり、駐車場などに多く設置されている。一方、消火に使われる高濃度の二酸化炭素を人間が吸い込むとすぐ意識を失い、死に至る恐れがあるとしている。
マンションやビルの駐車場では…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル